「釈迦丸出し」は、IRON THUMBの第九作目のアルバムだ。
根底に流れる末法思想。
神道滅殺、火もまた涼し。え?

注意:ドラムは打ち込みです

 

収録曲目

A面
名古屋きしめん同盟
木造モノレール
火事
否15
憶良、蛇に怖じず
泣いて馬謖を斬る
柴田錬三郎、水害に遭う
にわとりという手もあります。
釈迦丸出し
Chopsticks is a slapstick
ポールの彼女に関する歌

B面
Sexy Fahrenheit(セクシー・ファーレンハイト)
楊さんは戦斗体勢
釈迦大暴れ
Losing myself(カバー曲)
Icy prison(カバー曲)
Dreamprowler
The theme from ANACONDA 2

 

A面

名古屋きしめん同盟
作詞:中坊俊平太
作曲:太一.F.太一
「あれは非常にエモーショナルな感じのする詞で(笑)、俺の思ってることの全てさ(俊平)」
「名曲だ!!(実)」

オレンヂ色をひっくり返した
青く澄んだ空の下
大事な草鞋をなくしちまった
雲をつくよな大男

香る、香りたつ出し汁を右手に
君の涙をぬぐう台布巾

草場の陰から現れた
月のない夜にトラヴォルタ
寒さに耐え兼ねマッチをすれば
爪の中からアボリジニ

香る、香りたつ出し汁を右手に
胸に輝くマーク、彼らはそこに

名古屋、名古屋、名古屋きしめん
同盟の証
我ら、我ら、我らは歌う
尾張名古屋は城でもつ

香る、香りたつ出し汁を右手に
胸に輝くマーク、彼らはそこに

名古屋、名古屋、名古屋きしめん
同盟の証
我ら、我ら、我らは歌う
尾張名古屋は城でもつ

我ら、我ら、我らは歌う
名古屋名物味噌煮込み

 

木造モノレール
作詞・作曲:板橋実
「早い話、ユゴーの『ああ無情』だね。
それとも最近は『レ・ミゼラブル』と呼んだ方がいいんだろうかね」
お姉さん、お元気ですか
体重は増えましたか
あなたがつかまって十年になります
さぞや寂しいことでしょうね

十年間刑務所で働いていた僕の姉さん
明日家に帰ってくるのさ

そして僕らは木造モノレールに乗って
姉さんを迎えに行くんだ
そしてみんなで木造モノレールで帰って
楽しく暮らすんだきっとずっと

僕らの家は火事で燃えたから
昇る月がとってもきれい
卒業式がもうすぐだから
僕たちにも春がやってくる

 

火事
作詞・作曲・演奏:板橋実
「二年ほど前に作った曲。
久しぶりに聴いたら、自分でも怖くなってしまったので収録した。
他人のベースを借りて録ったので、違う音になっている……というのは弾いた人間の欲目だろう。
現に、メンバーだって気付いてないんじゃなかろうか。
腐ってもプレシジョン(板橋実)」

はははは
燃えている
お前の家が燃えている
そうさあれは火事なのだ
お前の家が火事なのだ

本も襖も燃えている
たんすも畳も燃えている
布団も枕も燃えていて
何もかもが燃えている

はははは
燃えている
お前の家が燃えている
火をつけたのは俺じゃあないけど
お前の家が燃えている

何もかもが燃えていく
お前の全てが灰になる
何もかもが無駄になる
燃えていく

そうさお前は火事なのだ
お前の家が燃えている
慌てたって始まらないヨ
お前の家が燃えているのだ

 

否15
作詞・作曲:IRON THUMB
歌詞の掲載は省略させていただきます。

 

憶良、蛇に怖じず
作詞・作曲:板橋実
「山上憶良の歌は、好きです」

山の上に住んでいる、山上憶良
何者をも恐れぬ、万葉最大の歌人
人気の高さを妬んだ
藤原定家(ていか)
殺し屋を送り込み、消そうとする

憶良を狙う悪の手先、ニシキヘビ
大きな象をも一瞬で殺す毒だ
山の中でとぐろを巻いて待ち伏せて
仕事帰りの息子の一人を呑み込んだ

家族の危険を察知した憶良は
戦闘モードへチェンジ・ゴー
あらぶる姿の憶良は
蛇を頭から呑み込んだ

山の上に住んでいる、山上憶良
七つの海を駆け巡る
万葉最大の歌人
子供が割った茶碗のかけらを
片付けてると
廊下の電話が大和言葉で鳴り出した

松雄芭蕉が遊びに来るというので掃除をしたが
せっかくだからと子供の部屋の掃除もした
子供のおもちゃのガラガラを鳴らしてみると
ガラガラヘビの大軍が呼び寄せられてきた

家族の危険を察知した憶良は
戦闘モードへチェンジ・ゴー
輝く姿の憶良は
蛇を車で轢き殺す

家族の危険を回避した憶良は
安らぎモードへチェンジ・バック
憶良は心を捕らえて放さない

 

泣いて馬謖を斬る
作詞・作曲:板橋実

大好きだった君がいなくなり
僕は君のことを忘れられない
あの日も君はすねて見せて
山の上に陣を張ったね

I miss you so...

大好きだった君がいなくなり
僕は君のことを忘れられない
あの日も君はすねて見せて
山の上に陣を張ったね

涙の季節のあとで
僕にはやっと分かった
刀の錆と消えた
僕の大事な人が

時の輝きを胸に閉じこめて
五度目の秋が北に訪れる
君との思い出を胸に抱きしめて
北斗七星が見下ろす夜に

 

柴田錬三郎、水害に遭う
作詞・作曲:中坊俊平太+板橋実

お袋の味、鉄砲水
霊安室が水浸し
水増し請求
膝タップ
坊さん慌てて鼻ポパイ
埼京線で痴漢未遂

今年の水害、アボリジニ
井戸があふれて白痴多売
大豆の親分食べられた
溺れるモノは浜尾ツトム
隣の芝生も浜尾ツトム

床上浸水
幸徳秋水
局部麻酔
逆さ懸垂
右翼の車が流されて
いざ、鎌倉

北極海では
誰もサーフィンしない
どうしてかと言うと
寒いから

 

にわとりという手もあります。
作詞:中坊俊平太
作曲:中坊俊平太+板橋実
朗読:中坊俊平太
「ノーコメントだ!(怒ってテーブルをひっくり返す)(俊平)」
「わび、さびを知っている人に聴いて欲しいね(実)」

自分の行くべき道を見失ったら、
旅人に道を聞くといい。
「南は、どちらの方向ですか」
「南は、東の方にあります」
羽を失ったら、
道行く人に打ち明けるがいい。
道行く人は、君に告げるだろう。
「にわとりという手も、あります」
人の不幸まで背負うことになっても、
いいじゃないか。
印度の王子は、優しく言うだろう。
「来世があるじゃないか。
僕には、ないけど」

食事をするのに皿が必要だから、
土をこねて焼くのだそうだ。
寒さを恐れるが故に、
木を切り、火を焚くのだそうだ。
哀れな男は、月を恋するが故に、
夜を更かすのだそうだ。
正しいことを口にした女は、
正しいことを愛するが故に、
紅茶をこぼしたそうだ。

村の外れの尼さんが、村の床屋と恋をした。
どういうわけだが知らないが、
それはそれで、めでたいことだ。

 

釈迦丸出し
作詞・作曲:板橋実

向こうからやってくるあいつは王子様
毎日町を見回っている
貧しいものには施しを
弱きを助けて強きをくじく

エッチなこともしたい年頃だけど
がまん、がまん
女の子とも遊びたいけど
がまん、がまん

パンチパーマの頭から
山をも揺るがす熱光線
身長体重人並みで
目指すは救世主

お金はいっつもないけれど
勇気は百倍持ってるゼ
座禅を組んで落ち着けば
出てくる解決法!

 

Chopsticks is a slapstick
作詞・作曲:板橋実
「題だけ中坊俊平太から渡されて、二日くらいで作った曲。
ビートルズっぽいと言われるが、本当は俺は違うバンドの真似のつもりで作ってみたんだ」

君がテーブルの向こうで笑ってた
僕のそばには、君のお母さんも笑顔でさ
だけどそのとき、君のお父さんが怒り出したよ
何に怒ってるのか分からなかったけど

いきなり、お父さんはテーブルをひっくり返した
すると、一本のハシがお父さんの足をブチ切っていたのさ
それがおかしかった

そこにはハシがあって
ハシが大笑いのもとなのさ……

僕らは決してハシに足を触らせないぜ!

 

ポールの彼女に関する歌
作詞・作曲・歌:板橋実
「リンダが死んで間もないのに、新しい彼女ができたらしい。あの野郎!
どのポールとは言わないが……」

ポールに彼女ができたって
とっても可愛い半魚人
海で泳いでいたのを見つけて
銛で刺してから口説いたんだって

彼女のパパは豊島区民
彼女のママも豊島区民
水族館でお見合い結婚
妊娠出産水の中

箱入りファーザー
箱入りマザー

ヤマキ! ヤマキ! ヤマキ!リョウ!

彼女は半分エラ呼吸
あと半分は皮膚呼吸
待ち合わせ場所は上州屋
解散場所も上州屋

埼玉県には海が無いから
人一倍に憧れるのさ
秩父へ出かけて海水浴
塩水なめてエクスタシー

今度のデートは水族館で
それじゃあいつもとおんなじじゃん

やめろ!
男性ホルモンは最後の武器だ
無駄ダマを撃つんじゃない
けれど、三億匹の分身たちは
あえなく死んでしまった
これから環境ホルモンが
二億匹殺すなら
埼玉県民に未来はあるのか

それは悲しい運命だ
世界の終わりを告げる赤い玉

そんな悪夢にうなされて
飛び起きてみれば
襲いかかる麻雀牌

ベッドから出ようとするが
恋人が邪魔をする
明るく楽しい家族計画

「外は嵐、でもねダーリン……
ベッドの中でも嵐を起こすわ」
引き出し開ければ大人のおもちゃ

徹夜でまぐわい、朝が来て
かあちゃんあんたは半魚人
地下鉄乗り換え、水中回転
何でも出きるゼ半魚人

夫婦喧嘩は鱗の投げ合いで
君には勝ち目がないけれど

 

B面

Sexy Fahrenheit(セクシー・ファーレンハイト)
作詞・作曲:中坊俊平太
「セクシーだね!」

(対訳)
お前の愛が欲しい、今必要なんだ
愛を手に入れなくては、なんとしても
お前に俺の愛を全部やるから
俺のシッポをお前にのっけてぇ、あぁ

どうにもこの気持ちは止まらないぜ、愛ってヤツが
必要なのはお前だけ、抱きしめたい

お前の愛が欲しい、今必要なんだ
手に入れなくては、どうしても
俺はセクシー・ファーレンハイト
お前の上をくねり歩く

 

楊さんは戦斗体勢
作詞・作曲:中坊俊平太
『馬々虎々(まあまあふうふう)』
馬でもなく虎でもない、つまり「まあまあ」の意味。
「(不機嫌そうに)中国だね」

楊さんがあんまりだ
俺のこと 殴る蹴る

お酒を飲むと楊さんは
おこづかいをくれるのさ
おこづかいも良いけれど
入院費用はとっておけ

楊さんが穴を掘る
宝物 隠すのさ

東にきらめく太陽に
悲鳴を上げる楊さんは
トンカチ片手にホイッスル
太陽なんか大嫌い

楊さんは戦闘態勢
叶わぬ勝利を夢に見て
楊さんは戦闘態勢
ビルの上から植木鉢

楊さんは雲隠れ
労働ビザが切れました

おまわりさんたち、みんなして
必死に楊さんさがしてる
必死に楊さん逃げまわり
僕らの家にやって来た

楊さんは戦闘態勢
叶わぬ勝利を夢に見て
楊さんは戦闘態勢
ビルの上から植木鉢

 

釈迦大暴れ
作詞:板橋実
作曲:中坊俊平太
「難産だった……(実)」

Turn it down
Sunny side up
Kill with smile
Woodstock
Then turn left
Stare at me
Bark at dog
Eat wood

Hate kills
Hit like a battering ram
Break fuckin' rules
Death to cuty priest

(spoken)
Nobody can stop me just like in the melting pot
of hell… and then we became uncles of sweet pie.
Justice kills. Before storm there's no calm
about my junior and your senior as well as a bite
of snake in the bed.
The touch is like silk as though it were wet,
but only the heaven knows where we can find the
key to the realm of hot spring. If want
summer-night, you'll eat many eggs.
I can't be idiot.

Becoming, denying
I'm violence
Don't run
An umbulance
Two dead man
Three quartors
Skip four

Hate kills....

(大意:俺は怒ると怖いんだゼ)

 

Losing myself
作詞・作曲:Dan Swano
「おなじみEDGE OF SANITYです。
これも名曲です。(板橋実)」

(originally performed by EDGE OF SANITY)

Losing time, counting hours
I'll never see myself again
And even though I'm alone I can't remember what I'm missing
So I leave it be

Closing down
I expect the hopelessness and everything
And even though I'm alone Ican't remember what I'm missing
and that's all I need

I am lost
I feel I am sinking now
like I was made of rain
Like a wave I roll into the endless night

I am not afraid as the darkness starts
to make its way
I breathe as hard as you
as I end my day
I sigh and shelter
as I try to sink that deep
as deep as you and make sure that I won't fall asleep

Losing days
I need no hours
I'll never be myself again
And even though it's killing me
I can't remember what I'm missing
But I might be you

That I won't fall asleep...

 

Icy prison
作詞:Jeff Wrecker
作曲:Andy Winston
「イギリスのバンド、London Jailbreakersの曲。
原曲を知っている人でも、サビまで来ないと分からない程度のいじりっぷりだ。
輸入盤に載ってた歌詞を訳した人=板橋実。
(つーか日本盤は出てない)」

Where are you?
Now I can't see you
Where are you?
Now I don't hear you
Where am I?
Now I can't find myself
Feel no one will make sense of this world

I know there's something obvious
It's coming near with some pain
to take me to a better place
The answer lies behind this window

If I could go through iron grille
I would flee around in the sky

NO REASON TO BE CAUGHT IN A PRISON
NO REASON TO BE CAUGHT IN A PRISON
You're gone away from the third from the sun
I wanna get out free from senseless cage

As I dance with a floating loneliness
All anger in my heart and breath is gone
Again where I see you is shore of sands of time
Again where I hear you is up in the sky

If I could have power to be,
it wouldn't come so early, but now...

NO REASON TO BE CAUGHT IN A PRISON
NO REASON TO BE CAUGHT IN A PRISON
You're gone away from the third from the sun
I wanna dive to the freedom now

Caught in a mortal life
Caught in a mortal life

氷の牢獄 (対訳)

君はどこにいる?
今の僕には君が見えない
君はどこにいる?
今の僕には君の声が聞こえない
僕はどこにいる?
今では自分自身が見つけられない
誰もこの世界に意味を与えられないのか

何か明白なものが
(それは痛みとともに来る)
どこかマシなところへ僕を連れて行くために
(答えは窓の向こうで待っている)

もしも鉄格子を抜けて行けたら
空を自由に飛ぶのに

牢獄に閉じ込められる理由はない
牢獄に閉じ込められる理由はない
君は第三惑星から遠くへ行ってしまった
僕も、意味のない檻から自由になりたい

宙に浮く孤独と踊るたびに
心の中の怒りと呼吸が奪われる
僕は君と再び会う、時の砂の浜辺で
僕は君の声を再び聞く、空の上で

もしも力があれば
これはそんなに早く訪れなかっただろう、だが今は……

牢獄に閉じ込められる理由はない
牢獄に閉じ込められる理由はない
君は第三惑星から遠くへ行ってしまい
僕は今すぐ自由へ飛びこみたい

限りある命に囚われて
限りある命に囚われて

 

Dreamprowler
作詞・作曲:板橋実
「本バンド初のラブソング。津原やすみ先生は偉大です。『エイリアンEX』です。
ボーカリスト太一、いつもありがとう」

No sense of time, I am dreaming
in my bed all alone within a firm dream of you
I know I'm waking to the end of all days
Soon I'll be thirsty for your voice to call me

Our lives go on on differnt wheels
Like a dog in the rain
you'll be waiting for me to come once again
Let me touch you as proof of the days we shared
Soon we'll be sunken beneath a lake of tears

But someday in this everlasting sailing
we may prove we didn't meet only to be parted
You forgot to say "Good-bye" the last night
We didn't say farewell the last night

The scent of these flowers you gave me
It's very sweet and sad like our flaming embrace
and lets me keep the promise at your time
I'll be your future before long
Don't cry

No matter where I am my heart wants to stay with you
No matter how many years you'll find me somewhere again

We didn't say "Good-bye" the last night
We didn't say farewell the last night

(対訳)
時間の感覚もなく、夢を見ている
自分のベッドに一人きりで、堅く君の夢を見ながら
全ての日々の終わりに向かって目を覚ますところなんだと知ってる
君の呼ぶ声は、すぐに僕を飢えさせるだろう

別々の車輪の上で、僕たちは生き続ける
雨の中の犬みたいに、
君は僕が戻るのを待ちつづけるだろう
僕らが分かち合った日々の証拠に、君に触れさせて欲しい
すぐに僕らは涙の湖の下に沈むだろうから

だけど、この果てしない航海の中でいつか
僕たちは、ただ別れるために出会ったんじゃないってことを証明できるかも
君は、ゆうべ「さよなら」を言わなかった
ぼくらは別れのあいさつをしなかった

君のくれた花束の香りは
あの抱擁のように甘く切ない
そして僕に君の時代での約束を破らせまいとする
僕はすぐに君の未来となろう
泣かないで

僕がどこにいようと、心は君を求めている
何年かかっても、君は僕を見つけるよ

君は、ゆうべ「さよなら」を言わなかった
ぼくらは別れのあいさつをしなかった

 

The theme from ANACONDA 2
作詞・作曲:板橋実
「大人気の映画『アナコンダ』の続編のサントラ。……を、勝手に作ってみました。
歌詞掲載は割愛」

 

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