IRON THUMB『ピップ牢屋番』 増補

 

本当は恐ろしい徒然草 註釈(元ネタ)

徒然草
第十一段『柑子の木』より

 先日、ある山里にたずね入りました。遥かな苔の細道を踏み分けると、ひっそりと暮らしている様子の庵がありまして。木の葉に埋もれる懸け樋の雫の他には少しも音をたてるものがありませんでした。菊や紅葉などが折り散らしてあるのは、さすがに住む人があるからなのでしょう。
 これでも暮らしていけるんだなと、感心して見ていると、向こうの庭に大きな蜜柑の木が見えました。枝もたわむほどに実がなっていますが、周りをきびしく囲っており、興ざめして、この木がないほうがましかもと思ったことですよ
第百九段『高名の木登り』より
 木登りの名人と呼ばれる男が、人を木に登らせ、梢を切らせていました。とても危険に見える高さのところでは何も言わず、降りてきて軒の高さぐらいまできたときに、名人が
「気をつけて降りろよ」
と声をかけました。
「ここまできたなら飛び降りることもできるくらいです。どうしてそのように言うのですか」
と私が訊きますと、
「まさにそこです。目がくらむほどの高さにいれば、自ら恐れますから、言うことはありません。事故は、安心したときに起こるものでございます」
との返答。
 賎しい職業の人間ですが、聖人の戒めに等しいものです。蹴鞠でも、難しいところより簡単に思えるところで必ず失敗しますし。

ワシントンと桜の木
 米国の初代大統領であるワシントンには、『子供のとき桜の木を切ったことを父親に正直に話したら、かえって誉められた』という逸話が残っている。ただしこれは、ワシントン崇拝の気運と「嘘をついてはいけない」という教訓のための寓話が重なって生み出された伝説であり、真偽の程は定かでない。
 また、「通説ではワシントンが子供の頃、つまり1745年前後にはアメリカ大陸には桜の木はなかったとされている」(ウィキペディアより)という指摘もある。

名誉革命(めいよかくめい、Glorious Revolution)
 1688年から1689年にかけて、ステュアート朝のイングランド王、ジェームズ2世(スコットランド王としてはジェームズ7世)を王位から追放し、ジェームズ2世の娘メアリーとその夫でオランダ統領のオラニエ公ウィレムをイングランド王位に即位させたクーデター。
 イングランドではほとんど無血革命だったのでそう呼ばれるが、スコットランドやアイルランドでは無血ではなかった。
ウィキペディアより)

オラニエ(Oranje)公ウィレム
 イングランド王ウィリアム3世。同じ血筋のオラニエ家が、現在も立憲君主国家・オランダ王国の統治者である。
 英語読みの場合「オレンジ」。教科書によってはこちらの表記になっているため、「柑子の木」のエピソードと無理やりリンクされた。

 

ゲストの顔ぶれ紹介
リチウム死村ソード氏&ひらりー氏がギターでゲスト参加しているほか、瑞獣さんがバックダンサーとして大活躍。
時々イタバシと一緒にコピーバンドをやってる偽音くんが、ボーカルとしてゲスト参加。
バックコーラスには、OUBTBURSTからオノシンが参加。他にむ〜すごはんWOUNDEEP)、トルケマダBraindead by Beer(現IRON THUMBのT村)、焼酎院雷頭(現IRON THUMB)、イトキン(仮名)、はきゅ〜んGRAVITON)といった面々が参加。
さらに声の出演として、ヨシチェンコ氏、椎名かじん氏、車ダンツィヒ氏、葉巻型劉邦氏。

 

ジャケット製作に携わって頂いた方々
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