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 ジェフリー・アーチャーの「獄中記」を読み終えた。まずは第一巻の「地獄篇」から。
 この続きが「煉獄篇」なんだが、煉獄の方が地獄より軽いんだから、地獄の方が第二巻じゃね? と思ったけど、ダンテの「神曲」がそういう構成だからなのか……。それじゃあ、いずれ「天国篇」も出すんかいのう。
 イギリスでは、日本で言う拘置所がないらしく、上訴待ちの状態でも、刑務所に入れられる。で、この第一巻では、実刑が確定するまで無期刑囚のいる重罪刑務所に拘置されてから、囚人としてのランクが決まり実際に刑を務める刑務所に移送されるまでの約三週間が描かれている。
 たぶん、重罪刑務所に入れられていたことから地獄篇、この次はもっと監視が緩い刑務所に入るから煉獄篇、ということなんだろう。続きを読んだら、また考える。

 ジェフリー・アーチャーは、元は政治家だったのが、財産を失って政界を退いたのをきっかけに、今度は小説家になり、政治家に返り咲き、次に投獄され……と起伏の多い人生を送っている人のようだ(ウィキペディア)。忙しい人だ……。

 新潮文庫で色々と作品が出ているので、ガチンコの文学畑の人かと思っていたけど、割と俗世まみれなんだなあ。


 書影。著者の顔が、背表紙のところで折れているよ。



 後からインターネットで文庫版の書影を目にしたら、こちらは著者の写真が真ん中にレイアウトしてあった。ハードカバー版も最初からそうしてくれたらよかったのに。




 この顔を見ていると、トミー・リー・ジョーンズを思い出す。それと、アーネスト・ボーグナイン。


 さて、肝心の内容については、巻末解説にもある通り、周りの受刑者の話を聞いて紹介するというスタイルは、安部譲二の「塀の中の懲りない面々」に似ており、味わいも近い。

 刑務所の料理が不味くて残した、という話が頻繁に出てくるのは気に入らない。料理が不味くて食えないから、売店で購入したシリアルや菓子を食事代わりに摂取するのは、アーチャーの味覚が壊れているのか、それとも本当に料理が不味いのか。
 あるいは、元政治家にして貴族であるところのジェフリー・アーチャーは、言外に「貧乏な平民と同じものなんか食ってられるか!」と階級意識を表明しているのか?

 理由がどれであるにせよ、料理に対する不満と、刑務所の中に入ってようやく刑務所の劣悪な環境に気づくあたり、山本譲司の「獄窓記」に共通する面もある。俺は山本譲司が大嫌いだけど。
 花輪和一みたいに、「犯罪者にこうやって温かい飯を食わせてくれるなんて、いい国だなあ」って感謝しろよ!

 貴族が刑務所に入って、周りからサーを付けて呼ばれるというくだりでは、ドストエフスキイの「死の家の記録」を連想した。共通する箇所はほんと、そこぐらいなもんだけど。
 花輪和一や「イワン・デニーソヴィチ」との共通点は、さすがに希薄だった。



 訳は田口俊樹。「役不足」って言葉が出てくるけど、文脈から考えると「力不足」が正しいように見える。どうなんだ、これは。



(受刑者のノートを世間に紹介したいと思うが、私にその大役が務まるだろうか? と逡巡する場面)

 と思って訳者略歴を見たら



「早稲田大学文学部卒」だって。うむー。第一とも第二とも書いていないってことは、「第二を隠して文学部」ってやつか! と思いたいけど、文学部と言えば第一に決まってんべやという自信の表れなんだろうなー。役不足と力不足を取り違えたくせに。



 余談ながら、刑務所のヴェジタリアン料理のメニューに「魚」が含まれていた。まさかあれを野菜だと思っているわけでもなかろうが、「肉じゃないからヴェジタリアン用で」ってのも、日本人には信じられない、受け入れられない感覚だな。
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