May, 2004

 

皐月二十一日 (金) 台風一過

俺の住んでいるアパートは、少なくとも雨漏りはしないことがわかって安心。
ふるやのもりは、恐ろしいけん。

雨の日に家でじっとしているのが大好きだ。

今週の悟り:オナニーとか自慰とかマスターベーションがどうでもよくなる時間て本当に短い。
今週の迷い:女性のおっぱいはどうしてあんなに魅力的ですか?


デビュー(debut)というフランス語/英語を、デヴューと書きたがる日本人が多いな。
恐らく、「初お目見え」から勘違いしてdeviewとでも頭の中で勝手に綴りを当てはめて勝手に間違ってるのだろう。
これも一種の和製英語かねえ、わははは。

それとも何か、元ネタと申そうか、そのように書かれる起源があるのか知らん。
京極夏彦が「デヴュー」という表記を採用しているので、大変不安になることだよ。
一番、そういう間違いを犯さない類型に属するように感じられる作家なので。


日本語の特徴に逆らって、「俺は全ての用言に主語をつけてみる」という遊びを俺は考案してみた。
俺は早速梶井基次郎の小説にあてはめながら読んでみたが、彼の簡潔で力強き肺病やみの文体には、この遊びがつけいる隙がなかった…。
俺が思うに、この遊びは文学作品には向いていない。
あなたが掲示板に書き込むときなどに、あなたが試してみると、それは面白いかもしれない。


規則正しく起床・就寝し、録音の作業もエロゲーも少しずつ進む。
仕事があって収入があって給料日直後だったりすると、精神的にも健康になれる気がする。
先週はいつ転職するかとネットで求人情報を見まくっていたのだが、今週給与明細を見たら妙に落ち着いてしまった。
男性諸君は身に覚えがあるだろう、この、何かを希求する気持ちと、その気持ちが瞬時に醒める境地の存在に。

宣言どおり明日は新宿書店でエロ本を買おう。
EDGUYの新作もそろそろ買おう。

金曜日、勤め先で
 社員(サーファー)「板橋君もサーフィンすればいいのに」
 俺 「あははは」
まさか俺は「じゃあお前がエロゲーをやれ」とも言えないので笑って黙殺してみた。

先週会ったマレーシア人はまんが好きが高じて十二年前日本に留学してきた三十二歳男性
仲良くなりたい。


村上龍「五分後の世界」読了。
すこぶる面白い。
ハインラインでいうと「宇宙の戦士」並に面白い。
SF、最高。
引き続いて、続編の「ヒュウガ・ウィルス」に着手。

最近読んだ本の感想を全然書いてないのはまことに無念。
アパートに回線を引いたらどんどんまとめていこう。
それまではじっと我慢。

ホカヘー! われに続け。
今日は戦うには、いい日だ。
今日は、死ぬには、いい日だ!

皐月十七日 (月) 板橋実は初任給でエロまんがを買うことを宣言します

今月末まで、
秘密結社ドクドクロンがゴトダマのネタ募集をやっているぞ。
みんなも応募して、自分の言霊キーホルダーを手に入れよう。
(ゴトダマについての詳細は上記リンク先を参照のこと。)

ルーディ・ラッカー「ソフトウェア」を読み終えた。

金曜日、マレーシア人に気に入られる。

日曜日、IRON THUMBのスタジオ練習が始まる。
三名遅刻、一名病欠、まともに到着していたのはT村氏のみであった。
遅れてごめんなさい。

東和と蕎麦を食ってだべる。
いつの間にか
マリ見てのサイトを作ってしまったくらい「マリア様が見てる」にハマっとるらしい。
しかも一瞬にして人気サイトになったらしい。
この男の才能にいつも舌を巻く俺。
なのでリンクを張った。
元ネタがわかんなくても面白かった。
文章力が高い人の書く文は、安心して読めるので好きだ。

月曜日、仕事が終わってから録音機材を取りに実家へ舞い戻る。
独り暮らしの意味、まるでなし。
暑い。
疲れる。

もっぱら人氏から簡易本棚を譲り受ける。
人情が身にしみる。

「カラーボックス」という名前は、黒人労働者が作っていた本箱という意味なのだそうな。
カラード・ボックス。
だから廉価。


勤め先で、
 社員「好きな芸能人は?」
 俺 「いや、テレビ見ないから分からないっす」
という会話が原因で、ゲイ説を流された。
が、この社員(サーファー)におたくだとばれるよりはマシなので否定も肯定もせずに放置。

KOU先輩のお宅に遊びに行く栄誉に浴した。
「ヴァンパイア・クロニクル」で一晩中遊んだ。
即ち「ヴァンパイア・セイヴァー」でハンターやヴァンパイアの型の怪物どもを操ることができるという夢の様なゲームである。
あっという間に時は過ぎた。
そしてアイスクリームをご馳走になって帰途についた。

 

皐月十五日 (土)

申し遅れましたが、先々週のコミティアにご来場頂いた皆様、ありがとうございました。
また、ティアズマガジンにIRON THUMBが紹介されまして(表2、by CYONさん)、大変助かりました。
ありがとうございました。
captorcratと一緒に申し込みをしたので、隣同士で非常に楽しうございました。
  ※私信 次はコウジ先輩に気に入られるように、たくさんキーホルダーを作っていきます。

米を買ってきて炊いたり銭湯に行ったりコインランドリーに行ったり、まだ独り暮らしを楽しんでいる段階である。
無洗米を買ってしまった俺はまだ甘ちゃんなんだろうか。

ビジョルド「ミラー・ダンス」真野ともこ「ちょっと気まぐれフォーリンラブ」読了。
FALCONERの3rdを入手。

コミックビームに、
桜玉吉が連載で戻ってきた。
嬉しい。
高橋ヒロシ「WORST」八巻を購入。


「クロスチャンネル」。エロゲー。
放送部の合宿を終えて山から下りてみると、部員以外の人間は跡形もなく完全に消えてしまっていた、というお話。

シナリオがよくできていて面白いエロゲー。
「雫」「痕」「青空」なんかが好きな俺にはたまらんゲーム。
珍しいことに、主人公が能動的。
上に挙げた三つに限らず、物語に特化したエロゲーの主人公は多くが受動的で、状況に流されながら事件に関わっていく。
むしろ主人公は周りの少女達であって、主人公はプレイヤーに視点を貸すだけの狂言回しなのかもしれない。
一方「クロスチャンネル」の主人公・黒須太一は、コミュニケーション不全の躁病患者で、他人との関わりを求めて破壊したり性交したり事件を解明したりする。
それが新鮮だったし、物語の流れ方が躍動的になって刺激的でもある。良い。

物語が一方向にしか流れない分、人間関係がきっちりと描かれることにもなって、そこがまた気に入った。
RPGでもエロゲーでも言えることなのだけど、主人公の周囲の人間達の関係は「主人公−他者」というつながりだけで表現される場合が多い。
「他者−他者」のつながりはたいがい省略される。
それを描写するのが面倒だってのは、まあ、分かるけれども。
現実には、人間関係は主人公が介在しないところでも醸成される。
その結果、主人公がゲーム中いずれかの女の子と寝れば、次の日にはクラス中の女子が知っていて主人公達をからかう、といったことが往々にして起こるんだし、
攻略ルートから外れた女の子はその瞬間から教室に姿を見せなくなるなんてのも本来ありえぬ現象なのだよ。
「クロスチャンネル」は、その辺がわりかし作りこまれていて好印象。

残る不満は、「なぜ人々は消えてしまったのか?」という謎にきっちりと解答が与えられていなかったこと。
後半、科学的な考証はほんの少しだけでその話題はさらっと流されて、物語の焦点が人間関係に移っていく。
そこをきっちりと描いてくれたら、立派なSFとして愛してしまっただろうが…。
お茶を濁して通過していったので、分類としては「ヤングアダルト」止まりとす。
それでも、他のゲームと比べれば大変楽しめるものであることは間違いないんだけど。

その他に、「発電所に行けない」「老人の死体が遺留」などの謎があるわけだが、はっきり言って開発者のうっかりだと思う。
シナリオを作るうえで矛盾する点を残しちゃっただけなんだろう。
しかし俺はこのゲームが好きだから、あげつらうよりもむしろ合理的な解決を考え出して差し上げたい
(ゆでたまごのファンが、物理学を様々に再解釈して、「掟破りのロビンスペシャル返し」に科学的根拠を与えようと努力するのに似ている)。
具体的にはまだ何も思いついてないけどな。


「妹でいこう!」というエロゲーは、SFや「シスプリ」のパロディ的要素が強く、それはそれで気に入った。
半重力リフレクターとか洗脳銃、冷凍睡眠といったSF小道具をバンバンつぎこんで、雑多な日常を描き出すこの手法、なんだか懐かしいなあと思っていたら、
ナポレオン文庫のお家芸だった。
「クロスチャンネル」が電撃文庫で、「妹で…」がナポレオン文庫、と分類できよう。
補足しておくと、「妹で…」は、宇宙から妹がやってきて、冷凍睡眠していた妹が目を覚まし、庭に埋まっていた妹が目を覚ます、といった調子のゲーム。
ほんと、エロゲー屋さんてSF好きが多いので面白いなあ。どうしてなんだろう。

このゲームは、どの女の子が好きっていうことよりも、もし自分が洗脳銃を持っていたらどんな風に家族を再構成してやるかということに、妄想が及んでしまう。
シスプリは未プレイゆえ、両ゲーム間の違いはよく分からん。


「先生だ〜いすき」は、学校教師が生徒に手をつけまくるというどうしようもないエロゲーだが、ペド系おたくに大変評判が良かったので遊んでみた。
…「教員をナメんな」と考えてから、医療に携わる知人が「はじいしゃ」をやって「医療をナメんな」と発言していたのを思い出した。
医者も教員も不祥事だらけだから、あんまりゲームのことを悪くもいえないんだけどさ。
ともかくゲームとしてはあんまり好きになれなかった。
川端康成という作家の名前の漢字を間違って表記しているのも問題だと思った。

「委員長キャラって言えばキン肉マンの委員長ですよね」
もっぱら人

皐月八日 (土) もちクエスト

地元のスーパーマーケットでお餅を探した。
考えてみればお餅は乾物でもないし、麺でもないし、どこに置いてあるんだろう?
…そうか、「餅は餅屋」か。

餅屋?

結局店員に訊ねた。


頻繁に実家に戻ってきてはメールチェックしたり洗濯したりしてる。
なんちゃって独居。
はやくネット回線を自室に引きたいものだ。

 

皐月三日 (月)

なんだか実家にいます。


今日は渋谷キノトでOUTBURST主催のライブ企画を見てきた。
出演は、
穴虎69 / DISCONFORMITY / OUTBURST / ZOMBIE RITUAL / TERROR SQUAD
こんな豪華な面子を一度に拝めて良かった。
ちょっとしたスラッシュサンクチュアリみたいだ。たぶん。
OUTBURSTってすげえ。
彼らの演奏は…今夜は…まあ…というとこ。
TERROR SQUADあたりと比べるのは酷というものだけど、テラスカの印象が強いだけに、つい。

中では
TERROR SQUADがダントツに良かった。
見たのは二年ぶりくらいかな。
本来はハードコア畑のバンドなんだろうけど、メタル信者にも十二分にアピールするこの実力。
暴れまくっても乱れない演奏。
このバンドは、目の前で見なくては信じられないようなことをやってのけてくださる。
すっげえかっこいい。
おまけに、客がとても熱くなって、本来は予定されてなかったであろうアンコールまでやってくれた。
とても嬉しかった。
楽しい一夜だった。


新居にもっぱら人氏が遊びに来た。
ごみ箱をお土産にくれた。
ありがとうございます。
のはいいけど、キャンドゥの製品じゃないのを持ってきたので「めっ。」と叱っておいた。
もちろんお礼も言ったけど。
せんべいももらったんだった。
ありがたやありがたや。一食浮いた。


「君が望む永遠」のゲーム中、大空寺あゆという傍若無人な女人が好きだという友人に遭遇。
「それはありえない。やめときなさい」と現代の若人風に詰め寄ったところ、
「いや。いくら言われようとそれは譲れない。後ろ指差さされようとも俺はあの子がいい」
と言い切った。
そも思いのまっすぐさに、俺は眼が覚める思いがし、その友人を見直したのだった。
おたくの基本を彼から教わることになるとは…。

それはともかく、やっぱり大空寺あゆはどうかと思うのだった。

 

皐月一日 (土)

四月末、俺の友人の友人が亡くなったらしい。
俺はそれについて彼に何か言わなくちゃという気持ちになったが、何も思いつかなかったので結局何も言わなかった。
友人が嘆いている間、俺はそれを知らずにのんきにギターなんか弾いてたわけで、それを考えるとやりきれなくて仕方ないのだが、さりとて
俺に出来ることがあったかというとそうでもなく、故人と知り合いだったわけでもなく、かける言葉もなく、ただ何かしなくてはという無意味な義務感に苛まれ、
ここに面白くもない文章をだらだらと書き連ねている次第。勘弁な。

alk氏に手伝ってもらい、引越しは成功。
蕎麦屋で昼飯。

 

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